同士が一人、いなくなった。
このグループに入って丸10年が経とうとしているけど、
ずっとそばにいたはずの存在が辞めてしまった。
彼女はすごく不思議な存在で、周りを魅了してた。
どことなくはかなく、でも周囲をユーモアで調和させる力も持っていた。
彼女は体を少し壊して一度仕事を辞めている。
でも美容師という仕事がどうしてもしたくて、特別な勤務体制でゆっくり仕事をしていた。
そんなことを可能にしたのも、彼女の人柄だと思う。
フラフラになりながらもお店に来たことが何度もあった。
みんなが心配して"帰ったら?"と声をかけても、大丈夫だからといって仕事をしてみせた。
きっとすごくしんどかったのに来なくなることなんて一度も無かった。
それを乗り越えて10年も働くことって、容易ではない。心からすごいと思う。
そんな傷みを知っていて、強さのある彼女だからこそ、
みんながどんな話でも彼女に相談したくなるのはおかしくはない。
人の心にそっと触れることの出来る、そんな人のような気がする。
私ももちろん、彼女に支えられた一人でもある。
彼女がここを辞める理由は前向きな理由だった。
大切なパートナーが見つかったから。
こうして文字にすると軽い感じに見えるが、彼女にとってはとても素敵なこと。
パートナーとともに世界に飛び出たいという思い。
一度は私は止めた。
今考えるとなんでだったのだろうと、、きっと自分本位だった気がする。
10年間変わらなかった環境が彼女が抜けることによって変わってしまうことが怖かった。
でも彼女の幸せはきっとここではなく、新しいところに見つかったんだと、
そう理解した。
彼女は今後、彼と一緒に世界のどこかで住むことになる。
それでもその地で美容師を続けたいと言っていた。
今では女として、かっこいいと思う。
どこに行っても同士は同士だし、
きっとこれから更に幸せな人生を歩んでいくんだろうと思う。
お互いにまた再会したとき、
互いの人生を互いに賞賛しあえるように、
私は私の人生をかっこよく生きたいと思う。
ただ、今は一言。
"ありがとう、そしてお疲れ様"
mai.